わたしの高校では、時々、誰かいなくなる。
いなくなる人には
3つの《予兆》がある。
1 言葉が出にくくなる
2 いきなり睡魔に襲われる
3 記憶をなくしていく
あ、もしかして次はこの人だな。
……と、《1》で感じさせる。
もしかしたらという推測ではなく
いよいよ間違いない
……と、《2》で決定される。
とうとうきたか。
来週あたり、この世界から消えているな
……と、《3》は最終宣告。
《1》になっても、《3》まできても
消えてしまう当人に
できることはない。
当人にないのだから、わたしたちに
できることもない。
わたしのクラスは26人だったのが
高2になって、3ヶ月で5人が
消えてしまった。
いま消える兆しにある子が
ふたりいる。
・・・